スタンダードブックストアさんで開催された
「書店員ナイト」というイベントに参加してきました。
書店員の人たちが
- どんな思考をしているのか
- どんな本を読んでいるのか
- 本は好きなのか
などなど、知り合いがいないので、どんな人たちなのかな?という疑問がありました。
同じ「本」を扱う仕事なのに、私は今まで接点がなかったのです。
申し込んだ後に、特別イベントとして、著者お二人のトークショーが開催されることとなり、聞いてきたものをまとめます。
聞き間違いもあると思います。ご了承の上、お読みいただければ。
プライベート(?)でも仲がよいお二人のようで、最初は本当に雑談でした。
東京に住まれている西さんが話をふった、東京と大阪の違いとか。
- 映画化されるこちらの小説について
『円卓』 西加奈子著
受け取り方が、みんな違うから面白い。例えば、絶世の美女はみんな違う。
- 大阪弁で小説を書くことについて
西さん「ある作家さんから、昔は大阪弁で書くことがダメだったと聞いた(編集段階でボツにされる)。吉本のおかげで小説も大阪弁で書けるようになってきたと思っている。他の方言は、もしかしたらまだ書けないものがあるのかもしれない。」
- どうやって小説を書くのかという質問に
津村さん「私の中に、プロットを書く人と文章を書く人がいる。25分書いて、10分休憩というサイクルで書いている。ポモドーロ・テクニックというのを使っている。」
西さん「明日の自分へ宿題を出すようにしている。例えば文章を読点(、)で終わるようにしたり。」
角田光代さんは、9時~18時で原稿を書く
桜庭一樹さんは、朝2時間だけ原稿を書く。
桜庭さんは年間400冊の本を読むらしい。
作家さんそれぞれ。
- 作品の中で大阪らしい小説だと思うものは?
津村さん「『カソウの行方』
箕面のショッピングセンターの話。標準語で書いているけど、大阪らしい。大阪過ぎて、標準語で書いてします。はっきりした場所のモデルがあればあるほど、標準語になってしまう。」
西さん
「『舞台』大阪が舞台じゃないけど、大阪的、大阪人的な小説。芸人さんが、コンプレックスで笑いを取るのが好き。笑うことでコンプレックスが成仏できる。笑い、つっこみは、関西の人の逃げ道ではないか。笑われようとするのは楽。すこやかな気持ちのいい部分を大切にしている感じがする。」
津村さん
「『まともな家の子供はいない』自分の体験に近しいことを書くほうが、結局のところ、誰かの、どこかのローカルになり、全世界の人にわかることになるような気がする。」
西さん
「『百年の孤独』のような。作家は、事実をそのまま書くのではなく、手を変え、品を変え、書いている。」
津村さんの時事情報の疎さから、西さん「偏りはあったほうがいい。作家は基本的に一人で仕事をしているから、自分の知っていることをみんなが知っていると錯覚することがある。」
- 本屋さんに行ったらどのコーナーに行きますか?
津村さん「手芸コーナー。文芸コーナーには怖くて行けない。」
西さん「文芸コーナーが狭くなっていたら怖いと思う。『さくら』が売れたときに、怖かった。書店周りをしていたときに、書店員さんが、赤ちゃんを抱っこするように大切にサインをするための本を持ってきてくれたときに、怖くなくなった。勇気をもらった。」
津村さん「サインを書いたら、(出版社に)返品できないのに、有難いと思う。帰りの電車で人生を振り返る。」
- 文芸が売れないといわれるが
西さん「プロレスが好きなのですが、一時低迷していたプロレスを復活させた棚橋選手が「プロレスを信じてやってきて良かった」という言葉に感動した。私も、「本を信じてやってきて良かった」と言いたい。」
本が売れないからみんなで結託できる。
津村さん「こんなこと書いても分かるわけないと、思いながら書いているけど、それが誰かのローカルかもしれないと思いながら書いている。」
津村さん
「8月25日に文芸春秋から、新刊がでる。昨日、初稿をあげたばかり。大阪の大正区の話です。イケアとかめがね橋とか出てきますよ。」
トークはとにかく、面白かったです。
文字にすると伝わらないと思いますが・・・。
そして、ちゃっかりサインいただきました。
『通天閣』『ポトスライムの船』
書店員さんとの交流は・・・あんまりできなかったです。また、機会があれば~ですね。